ICアンプの実験(TA7368PG,NJM386BD,LM380,TA8265K)

(2017.5.17作成)
簡単なトランジスタアンプで普通に音出しができたので、今度は廉価のアンプ用IC(TA7368PG、NJM386BD、LM380、TA8265K)を実験してみました。

出力ランクが少し異なりますが放熱をしなくていいレベル(出力1Wくらい)で、電源は全て12VACアダプターにフィルターを付けて約11.3Vとして、データシートに準ずる回路で動かしました。

(1)TA7368PG
回路



A(1KHz、0.3W)=28.5dB
CL(1KHz)=0.8W
歪率特性




周波数特性(0.3W)



TA7368PG、信号を入れると一瞬不安定状態になる事があります(過渡特性が怪しげです、配線をキッチリすれば大丈夫なのかもしれませんが)。静的な特性はまあまあですが、音量が増減する実際の音楽では音が濁るかもしれません。
連続入力で出力を見ていると、僅かずつ出力が増加していきます。どこかで収束するのか暴走してしまうのか分かりませんが、内部温度が上昇すると暴走傾向が有るようです。
その為ダンピングファクターが測定できませんでした。私の測定方法は、8Ωで周波数特性を測定してから同じ入力で16Ω周波数特性を測定して両者の結果からDFを計算するのですが、暴走傾向により8Ωと16Ωの出力が拮抗して出力電圧の大小が反転したりしてしまいます。それで1KHzだけを負荷切替(8⇔16Ω)で測りました。
DF(1KHz、0.3W)=約38

(2)NJM386BD
回路



A(1KHz、0.3W)=25.8dB
CL(1KHz)=1.0W
歪率特性




周波数特性(0.3W)




低域の歪率が悪いです。大電流の持続時間が長くなる(周波数が低くなる)と、瞬間的な温度上昇がより高まる筈ですが、それを抑える(つまりは電流を抑える)ようなIC設計になっているのではないでしょうか。それでTA7368と真逆の動作になっているのでは?

(3)LM380
回路



A(1KHz、0.3W)=33dB
CL(1KHz)=0.84W
歪率特性





周波数特性(0.3W)



歪率特性、データシートより悪いです。電源電圧を上げれば改善するのでしょうか?
しかし前の2種類の様な気になる点は特にありませんでした。

(4)TA8265K
回路



A(1KHz、0.3W)=30.4dB
CL(1KHz)=1.1W
歪率特性




周波数特性(0.3W)




これは特に問題ありませんでした。

結論
ステレオに組んで音出ししてみないと分かりませんが、使うなら放熱を考慮すれば出力も上げらるLM380かTA8265が無難なところです。
放熱だけを心配すれば良いのでトランジスタアンプよりさらに簡単ですから、他の廉価で高出力アンプ用ICも含めて再実験し、ICアンプも作っておくことにします。