ICアンプ(STK078)の改修

(2017.6.22作成)
かなり昔に作ったアンプ(サンヨーのSTK078を使用)、スピーカーの特性試験で使いましたが発振気味なのか何かシャリシャリした感じで、真空管アンプの実機が完成してからは隅の方へ片付けておきました。
先日小型のICアンプの実験をして、ICアンプも作ってみようかなと思いましたが、それならまず昔のアンプをちゃんと鳴らせるようにしようかと引っ張り出してきました。
今よりずっと素人だったのですが、無謀にもデータシートを無視して自分で回路(回りの接続)を考えて作りました。当初はOPアンプでトーンコントロール回路も作り込みました。トーンのブースト状態で発振気味になるので、後日OPアンプは普通の前段アンプに直して使っていました。
当時のICのデータシートはありませんが、ネットで見つけたデータシートの推奨回路を参考に、OPアンプを取り除いてシンプルに作り直しました。電源を入れてみたら片チャンネルがうんともすんとも動きません。配線の付け替えの熱ショックで壊れたのかと自分の方が大いにショックでした(暫くヤル気が失せました)。その残骸?、STK078を外してそれ以外を再利用して新しいICを付けようかと考えましたが、念のためとチェックしたところIC自体はちゃんと動いており、ミュート用のリレーが導通してなかっただけだった事が判明、ホッとしました。それでリレー交換のついでにミュート回路も作り直しました。

回路



スピーカー試験の時はミリバルがありませんでしたので、周波数特性だけを簡単に測りましたが、今回は一通り測定してみました。

歪率特性
R-ch  A(1KHz、1W)=23.3dB、CL(1KHz)=28.0W
L-ch  A(1KHz、1W)=24.5dB、
CL(1KHz)=29.0W
ゲイン用抵抗を選別して使えば良かったと、反省。
クリッピングレベル近傍以下では殆ど測定限界に近く、単に測定系の歪がそのまま計測できただけという感じです。まともなグラフにならないので割愛します。

周波数特性(R-ch)



周波数特性(L-ch)



DF値の差は、ここまで値が大きいとICのバラツキというよりは測定誤差の可能性もあります。100mΩのオーダーですから、SP端子までの抵抗差(配線?リレーの接点?等々)、測定時の負荷抵抗接続の差による可能性もあります。
高域特性はL-chの方が幾らか劣るようです。とは言っても自作のトランジスタアンプより少し悪い程度で、真空管アンプとは比ぶべくもありません。こちらは多分高域補正3pのバラツキです。データシートでは2pとなっているので、2pなら当然もっと特性が平坦になったでしょう。
低域は1μと47μによる減衰と思われます。
歪率に至っては小さ過ぎて他のアンプと勝負になりません(殆どは測定系の歪率と思われます)。

残留雑音
L/R 0.12/0.1mV
クロストーク
1W、1KHz L⇒R 61dB
1W、1KHz R⇒L 69dB


捨てかけたアンプが復活して、改修した甲斐がありました。
音は全く問題ありません。ICアンプ、トランジスタアンプ、真空管アンプで音の差を評論されてる方もおられるようですが、私の聴力では全然区別できません。これを書きながら、6ZP1のシングルアンプでペルトのアルボス(ARBOS:樹)に聞き入っています。

(注)後日、周波数特性とレベル差を改修しました。