シングルアンプの候補球の試験 その3

(2015.1.10作成)
シングル実験回路を、また修正しました。バイアスが最大36Vでの72V(P-P)振幅を考えると、初段のEbが100Vでは心許ないので終段と共通にしました。エミッタ抵抗は念の為可変にしてありますが、近似2次関数となる約30Ωに設定して使います。UL比設定はやはり納得のいく選択ができるように可変としました。


これの検証を兼ねて、42の特性を測り直しているうちに、試験球が機械的に劣化してることが判明しました。50~90Hz位の信号を連続で入れて暫くすると、1/2周波数の歪が現れてきました(多分、機械的な共振)。一度切って入れ直しても、インターバルの長短により、振動の残り具合で1/2周波数の歪発生のインターバルも変わるという症状でした。

歪打ち消しについても、色々試すうちに、打ち消し量に応じて歪率の周波数特性が変わることが分かりました。1KHzの値(歪率)だけを見て調整すると、その都度結果(全体の特性)が異なってしまいます。それで、7KHz、1KHz、100Hz、40~50Hzの4ポイントを睨みながら調整すると、再現性のある好みの特性が得られます。

42の試験球を交換して、前の結果がイマイチだった12GP7、6ZP1、6MP20も合わせて再調整・測定しました。
目標(好み)は、歪率の周波数特性を出来るだけフラットにすることです。
特性は全てNF17dBでの結果です。歪率の周波数特性は、6ZP1のみ0.3W、他は1Wについてのデータです。レベルとDFの周波数特性は概ねフラットなので、今回も掲載を省略します。

(1)42
Ep=315V、Ik=42mA、Ec=-20V、RL=7K、Esg=280V
          ⇒ CL(1KHz)=3.9W、DF=7.1

球を交換したせいもありますが、素直な特性になりました。


(2)12GP7
Ep=265V、Ik=37mA、Ec=-13.3V、RL=7K、Esg=250V
          ⇒ CL(1KHz)=2.7W、DF=6.7

出力は小さめですが、結構フラットな特性になりました。


(3)6ZP1
前回と同様、OPT-11Sの4Ω端子に16Ωを接続してRL=14Kとしました。DFはRLを8Ωに減らした時との電圧比で計算しました。実際に動かすときは、T-1200、OUT-41-357辺りを用意しないとダメですね。
Ep=250V、Ik=16mA、Ec=-11.2V、RL=14K、Esg=180V
          ⇒ CL(1KHz)=1.3W、DF=6.1

少しマシな特性になりました。フルレンジSPでは、案外普通の音として違和感なく聴こえるでしょう。本試験機のような簡単な仕掛けでは、これが6ZP1の限界という感じです。


(4)6MP20
Ep=260V、Ik=40mA、Ec=-6.2V、RL=7K、Esg=180V
          ⇒ CL(1KHz)=3.0W、DF=7.2

Esg=200V、UL30%でも測定しましたが、DF=11になった他は、5結の方が良いようです。
周波数特性は前よりフラットになってますが、歪率特性カーブは1KHz、7KHzが100Hzにレベルダウンして揃ったという具合です。調整方法がそうさせているので、仕方ありませんが。


ごく普通の5極管ですが、特性が綺麗になると、歪率が若干悪化したとしても何か良い音がしそうな気がしてきます。二軍と呼んだのは可哀想でした。一軍でピンチヒッターには十分なれそうです。

一段落したら、最初の構想通り、低歪ドライブで駆動して28dB以上のNFで動かした場合と、特性や出てくる音を比べてみたいです。しかし違いが分からなかったら(多分、分からないと思います)、何か力が抜けてしまいそうですが...。