シングルアンプの調整(水平偏向管12GB3、6BQ6)
(2017.3.21作成)
今となっては、私のお宝球である水平偏向管(12GB3系の球)の特性が気になって試してみました。
Esgとウルトラリニア比を選んで歪率特性を自由に変えて2次歪打ち消しを加えることで、当初では想像もできなかった形で5極管(ビーム管)シングルアンプを作ることができる、そんな可能性を持った球たちです。水平偏向管類は殆ど全てがそんな特性でしょう。その他に私の手元にあるお宝球は6CW5、15KY8A、最近入手の6DW5、これらは垂直偏向出力管として使われた球ですが、水平偏向管と同様の特性傾向を持っています(15KY8A、6DW5はちゃんと試してはいないですが多分)。
最初の頃の実験(仕切り直し)では12GB3はウルトラリニア比を変えても駄目だとして片付けてしまいましたが、実験機の改版試験ではちゃんとウルトラリニアの力が発揮できていました。それでもう少し探ってみることにしました。
まずEp250V辺りから始めました。RLは3.5K(OPT-11S)、使用球は12GB3です。
前に感じたとおりULを掛けたり、Esgを下げても3次歪が期待したほど下がらず、それを進めると出力の方がどんどん下がってしまいます。
Ep 260V
Esg 150V
Ik 50mA (プレート損失オーバーは自己責任)
UL 約50%
がまあまあという感じになりました。
同族の球が同様なのか25E5、6BQ6GTBに差替えて調べましたが、略同じ特性が得られる事がわかりました。
12GB3
2次歪打ち消しEc=117V
A=39.2dB
NF=15dB
CL(1KHz)=5.3W
6BQ6GTB
2次歪打ち消しEc=133V
A=37.4dB
NF=15dB
CL(1KHz)=5.3W
歪の打ち消し具合が若干ずれました。12GB3の方は6BQ6より少し低域に比重がかかり、6BQ6は100Hzと7KHzで見る限りバランスしてます。最後は目分量の調整なのですが、どちらが良いという事もありません。
というところで危うく終わってしまうところでした。
6CW5の特性傾向を見て気が付きました。適正負荷より小さ過ぎだと、CLは大き目ですが2次歪は多めになり、3次歪も適正負荷に比べると下がり方が緩いです。6CW5はプレート損失14W、今回の使用球は10~11Wで自己責任使用の13Wとしても6CW5よりEpを下げないと駄目でした。肩電圧と出力の事を考えると、ついついEpを上げてしまいます。RL3.5Kでプレート損失13Wだと、適正Epは213V(=(3500*13)^0.5)辺りなので、12GB3で210V付近から探索し直しです。
250~260Vよりは幾らか良好ですがEpが低い為か出力が低めです。それで徐々にEpを上げることとなり、
Ep 230V
Esg 140V
Ik 58mA
UL 約50%
に落ち着きました(キリがないので)。
2次歪打ち消しEc=30V (打ち消し無し ≒ 20Vp-pドライブで1%強の歪なので、実質1~2%は打ち消し有り)
A=57.6dB
NF=0dB
CL(1KHz)=4.9W
このままでも十分低歪なので2歪打ち消しの必要が無いくらいです。以前の15KY8AでNF12dBの実機と殆ど同じくらいです。6CW5の実験から推定されるUL50%の特性より上等です。1KHzの特性、6CW5で見た傾向というよりは既に打ち消しを掛けた特性という感じです。ドライブ電圧の差による歪の差が出てるのかもしれません。6CW5はEcが精々-10V前後なので20Vp-p程度、こちらはEcが約-20Vですから40Vp-p必要でドライブの歪も6CW5で測定した歪の倍以上になっている筈です。
これで今回の調整の感覚と以前の仕切り直しで感じた感覚、謎が解けました。ULによる3次歪の改善が6CW5に比べて顕著でなかったのは、必要ドライブ電圧が大きい所為でドライブの歪(2次歪)も増大し、はなから2次歪打ち消し状態だったということです(納得)。
しかし一応手順として70Hz、4Wでの最適値を調整しました。
2次歪打ち消しEc=64V
A=57.2dB
NF=0dB
CL(1KHz)=5.0W
追加の打ち消し量が少ないので余り変わりません。怪しげなカーブになりました。最終的には
2次歪打ち消しEc=64V
A=42.2dB
NF=15dB
CL(1KHz)=5.0W
先の260Vの場合と歪量は大差なかったですが、PPアンプと言ってもいいくらいの特性になりました。
ULと2次歪打ち消しと水平偏向管の組合せは凄い威力です。12GB3/25E5/6BQ6など最も最下位の球でこのくらいですから、より大型球だと余裕で更に良い特性をはじき出せるでしょう。他にこれらに類するのが垂直偏向出力管の6CW5、15KY8A、6DW5で、どれも調整のし甲斐があります。
今となっては、私のお宝球である水平偏向管(12GB3系の球)の特性が気になって試してみました。
Esgとウルトラリニア比を選んで歪率特性を自由に変えて2次歪打ち消しを加えることで、当初では想像もできなかった形で5極管(ビーム管)シングルアンプを作ることができる、そんな可能性を持った球たちです。水平偏向管類は殆ど全てがそんな特性でしょう。その他に私の手元にあるお宝球は6CW5、15KY8A、最近入手の6DW5、これらは垂直偏向出力管として使われた球ですが、水平偏向管と同様の特性傾向を持っています(15KY8A、6DW5はちゃんと試してはいないですが多分)。
最初の頃の実験(仕切り直し)では12GB3はウルトラリニア比を変えても駄目だとして片付けてしまいましたが、実験機の改版試験ではちゃんとウルトラリニアの力が発揮できていました。それでもう少し探ってみることにしました。
まずEp250V辺りから始めました。RLは3.5K(OPT-11S)、使用球は12GB3です。
前に感じたとおりULを掛けたり、Esgを下げても3次歪が期待したほど下がらず、それを進めると出力の方がどんどん下がってしまいます。
Ep 260V
Esg 150V
Ik 50mA (プレート損失オーバーは自己責任)
UL 約50%
がまあまあという感じになりました。
同族の球が同様なのか25E5、6BQ6GTBに差替えて調べましたが、略同じ特性が得られる事がわかりました。
12GB3
2次歪打ち消しEc=117V
A=39.2dB
NF=15dB
CL(1KHz)=5.3W
6BQ6GTB
2次歪打ち消しEc=133V
A=37.4dB
NF=15dB
CL(1KHz)=5.3W
歪の打ち消し具合が若干ずれました。12GB3の方は6BQ6より少し低域に比重がかかり、6BQ6は100Hzと7KHzで見る限りバランスしてます。最後は目分量の調整なのですが、どちらが良いという事もありません。
というところで危うく終わってしまうところでした。
6CW5の特性傾向を見て気が付きました。適正負荷より小さ過ぎだと、CLは大き目ですが2次歪は多めになり、3次歪も適正負荷に比べると下がり方が緩いです。6CW5はプレート損失14W、今回の使用球は10~11Wで自己責任使用の13Wとしても6CW5よりEpを下げないと駄目でした。肩電圧と出力の事を考えると、ついついEpを上げてしまいます。RL3.5Kでプレート損失13Wだと、適正Epは213V(=(3500*13)^0.5)辺りなので、12GB3で210V付近から探索し直しです。
250~260Vよりは幾らか良好ですがEpが低い為か出力が低めです。それで徐々にEpを上げることとなり、
Ep 230V
Esg 140V
Ik 58mA
UL 約50%
に落ち着きました(キリがないので)。
2次歪打ち消しEc=30V (打ち消し無し ≒ 20Vp-pドライブで1%強の歪なので、実質1~2%は打ち消し有り)
A=57.6dB
NF=0dB
CL(1KHz)=4.9W
このままでも十分低歪なので2歪打ち消しの必要が無いくらいです。以前の15KY8AでNF12dBの実機と殆ど同じくらいです。6CW5の実験から推定されるUL50%の特性より上等です。1KHzの特性、6CW5で見た傾向というよりは既に打ち消しを掛けた特性という感じです。ドライブ電圧の差による歪の差が出てるのかもしれません。6CW5はEcが精々-10V前後なので20Vp-p程度、こちらはEcが約-20Vですから40Vp-p必要でドライブの歪も6CW5で測定した歪の倍以上になっている筈です。
これで今回の調整の感覚と以前の仕切り直しで感じた感覚、謎が解けました。ULによる3次歪の改善が6CW5に比べて顕著でなかったのは、必要ドライブ電圧が大きい所為でドライブの歪(2次歪)も増大し、はなから2次歪打ち消し状態だったということです(納得)。
しかし一応手順として70Hz、4Wでの最適値を調整しました。
2次歪打ち消しEc=64V
A=57.2dB
NF=0dB
CL(1KHz)=5.0W
追加の打ち消し量が少ないので余り変わりません。怪しげなカーブになりました。最終的には
2次歪打ち消しEc=64V
A=42.2dB
NF=15dB
CL(1KHz)=5.0W
先の260Vの場合と歪量は大差なかったですが、PPアンプと言ってもいいくらいの特性になりました。
ULと2次歪打ち消しと水平偏向管の組合せは凄い威力です。12GB3/25E5/6BQ6など最も最下位の球でこのくらいですから、より大型球だと余裕で更に良い特性をはじき出せるでしょう。他にこれらに類するのが垂直偏向出力管の6CW5、15KY8A、6DW5で、どれも調整のし甲斐があります。







