簡単トランジスタアンプの製作

(2017.4.30作成)
先日実験したトランジスタアンプを実機に仕上げました。
アンプ部分は手持ち部品の都合で、小信号トランジスタを変更(C2240/A970(GRランク) → C945/A733(Kランク))、半固定VRの片方を2Kに替えてステレオ化しました。電源回りとスピーカーミュート回路(トランジスタ/ダイオードなど手持ちの有り合わせ)を追加しました。ミュート用リレー、かなり(10年くらい)前に鈴商で何かの実験に使おうかと思って購入したタイコー(Taiko)製KX2-24(詳細仕様は不明:2回路C接点)を使用しました。接点に1Aも流れないので多分使えるでしょう。ミュート回路のタイミングを仮配線で実験したのですが、FETはしっかりONしてるのにリレーがONしない症状で皆目判らず1日潰してしまいました。結局何のことはなく、リレーのコイル(端子)に極性があっただけでした(ダイオード内臓?)。昔仕事で制御盤などに使うリレーを扱っていて、その頃は当たり前の様に判って使い分けていたのですが電子回路用の小型リレーにもあったとは。記憶(知識)もリフレッシュしないと奥の方に入ったまま、いざという時に出て来なくなってしまいました(情けない...)。一応ダイオードは外付けしました。
電源はACアダプター(24V2A)で、フィルターはL/R個別としました。ケースは今回もタカチYM200を使用、ACアダプターの占有容積が一番大きいです(両面テープで固定)。パワートランジスタ(サンドイッチ)はアルミのL字片でシャーシの角に固定(両側放熱)しました。回路の部品点数が少ないので、パワートランジスタの足を使って安易に(見苦しく?)空中配線で簡単に済ませました。(Tr類は全て非選別品を使用)

≪最終回路≫


≪スピーカーミュートと電源フィルタ回路≫
(注)FETゲートの10μは後日47μに交換して、電源ON時のノイズは聞こえないレベルになりました。
アンプの入力インピーダンスが相当低くなってしまいましたが、一応バランスVRも付けました。MN型が入手不可(製造中止?品薄?)になりそうな気配で、次に作る時はシングルボリュームをL/R個別に付けて背面にひっそり付けておくことにします。


≪アンプ内部配線≫



シャーシの穴あけ、一部失敗しました。空中配線も完全に失敗です。部品交換が殆ど無理な姿になっています。最初から作り直すしかありません(新たな教訓です)。

CL(1KHz)=5.3W
A(1KHz、1W)=24.4dB
全部品を付けてからの測定なので、裸ゲイン/NF量は不明です
(ドライバhfeが実験時より25%程多いので、裸ゲイン/NFは2~3dB多めになっていると思われます)
歪率特性(L-ch)




周波数特性(L-ch)


実験のとき(NF15dB)と様相が変わりましたが、個人的には何も不満無い特性になりました。

残留雑音
VRmin(L/R) 0.07/0.07mV
VRmax(L/R) 0.17/0.17mV
クロストーク
1W 100
Hz L⇒R 67dB、 R⇒L 74dB
1W 1KHz L⇒R 67dB、 R⇒L 74dB
1W 7KHz L⇒R 66dB、 R⇒L 
77dB

SPミュート、若干ブチっとなりますがまあ容認できるレベルです((注)後日ミュート時間を変えて改善しました)。
管球アンプとの比較用などと書いてしまいましたが音は普通で、やはり私の聴力では普段使用してる15KY8A-SEとの違いは感じられません。否、元々音が変わらないアンプを求めている訳で、私的には音が変わる(non Hi-Fi)のはアンプと思っていません。更に言えば、石や球の違いで音が変わるなどというバカな話に興味もありません(高NFアンプならともかく、石や球を交換して再調整もせずに音質を云々評価してるのを目にしますが呆れた話です)。音楽の再生中に信号ピーク値がCL(あるいは歪率1%程度)を超えないように余裕のあるアンプを設計・調整・使用することに尽きます。それをオーバーすれば、音の違い(歪具合やバランスずれ)が感じられるかもしれませんが、そんな(アンプとして正常に動いていない)状態でアンプを評価しても意味ないです。評価できる条件を知ることも設計・調整と同じくらい重要です。そこを知らない(確かめない)まま、アンプの音を評価するのは誠に滑稽です。

その昔、アンプ作りを夢見る少年?の憧れは何時しか半導体(トランジスタ)アンプに向いていました。その頃パワートランジスタは種類も少なく高価でした(ダーリントン型パワーTrはなかったと思います、パワーコンプリメントも)。製作(回路)例はエミッタ接地2段増幅+2段バッファの準コンプリメンタリー形式が標準的だったと思います。今になって、こんなにシンプルで性能そこそこのアンプを暇つぶし時間と僅かな部品代で自作できることになろうとは...。
年を取ると、一々昔の思い出と比較して感傷にひたってしまいます。