シングル実験回路の手直し
(2016.9.30作成)
プッシュプル用にならって、シングル用も電源部分を主に手直ししました。
シングル用電源なのでB電源も定電圧化したほうが良いのでしょうが、実験用やユニバーサル用では、電圧をいろいろ変える必要があり、その都度最適な定電圧値を探すのが煩わしいので、フィルターを2段にしました。
これで、12GB3と6ZP1を動かしてみました。
ドライバのB電源は230V、エミッタ抵抗は30Ωに設定しました。
動作点をきめる場合、私のバイブル本も含めて大方は、特性曲線(Ip-Ep特性)にロードラインを引いて検討するのが基本とされてるようですが、前に書いたとおり所持品は中古品が殆どですし、新品でもバラツキがあり、規格にある代表値はあてになりません。
5極管の特性は概ね下図のような形(座標は適当に正規化してあります)になってます。
動作点を最大プレート損失曲線上のA点(0.75、0.25)としたとき、最適負荷抵抗は3(=0.75/0.25)となります。
特性の立上がりが垂直でないので、低電圧側で無効な領域がありますが、高圧側も特性曲線が詰まってきて出力波形がつぶれてしまうので、この計算で近い値になると思います。クリップするまでの最大出力は、理想特性の場合で
プレート入力(0.75×0.25) × 0.5
図のように両端で動作不能な領域がある実際の特性では
プレート入力(0.75×0.25) × 0.35~0.4
というところでしょう。
2次歪打消しを前提とするアンプにおいては、3次歪の発生をなるべく低く抑える必要があります。
A点で赤のロードラインを使う場合、特性曲線の立上がり部分と交差していますが、そこの付近に達する振幅で3次歪が増大することになります。そこで動作点B(0.5、0.4)で適正負荷(青のロードライン)をかければ、多少緩和できると見てとれます。しかしこの場合、無効な低電圧領域分の比率が増すことで最大出力が下がってしまいます。
プレート入力(0.75×0.25) × 0.3~0.35
A点で低負荷抵抗(オレンジのロードライン)にしてしまうという手もあります。かなり波形が非対称になりそうですが、2次歪打消しで歪を低減させることができます。
負荷抵抗が変えられない場合は、Esgを下げることで特性曲線をY軸方向に縮小させてロードラインの相対位置を変えることができます。
ロードラインが肩電圧より低い所に交差すると3次歪が増大、肩電圧より高い所に交差すると3次歪が低減しますが最大出力もさがります。
それでウルトラリニア動作を利用することが有効な手段となります。ウルトラリニア動作では、肩電圧より低いところで特性曲線が混み入っているところがバラけて3次歪発生が少なくなります。しかし立上がりの角度もそれなりに寝てくるので最大出力も低下します。
実際には上記特性曲線とロードラインの関係を頭の片隅に置いて、B電源(PTのタップ)と負荷抵抗(OPTのタップ)を決めてから、Esgとウルトラリニア比率を変えながら歪特性を見て、2次歪打消しで効果が上がり出力もそこそこのポイントを探るという手順になります。最適解はないですが、可能な限りウルトラリニア動作を利用した方が良い結果が得られます。
能書きはこれくらいにして、試験した結果を示しておきます。
(1)12GB3
OPT-11Sで、5KΩと3.5KΩを試しましたが3.5KΩの結果が良好でした。
(A)Ep=247V、Ik=50mA、Ec=-14V、Esg=108V、RL=3.5K、UL22%、
NF=15dB、CL=5.5W(1KHz)
(B)Ep=242V、Ik=50mA、Ec=-21.6V、Esg=146V、RL=3.5K、UL44%、
NF=15dB、CL=5.4W(1KHz)
12GB3としては、一番良い特性になりました。
NF15dBの5極管シングルアンプとしては、十分な特性になったと思います。
(2)6ZP1
Ep=240V、Ik=19mA、Ec=-12.7V、Esg=226V、RL=7K、UL3%、
NF=15dB、CL=1W(1KHz)
(周波数特性は、0.5Wでの特性です)
以前の結果よりいくらかマシになりました。(Esgは定格オーバーです。=>自己責任)
実験回路はこれで良さそうなので、ここらで一区切りとしてユニバーサルの実機にとりかかることにします。
プッシュプル用にならって、シングル用も電源部分を主に手直ししました。
シングル用電源なのでB電源も定電圧化したほうが良いのでしょうが、実験用やユニバーサル用では、電圧をいろいろ変える必要があり、その都度最適な定電圧値を探すのが煩わしいので、フィルターを2段にしました。
これで、12GB3と6ZP1を動かしてみました。
ドライバのB電源は230V、エミッタ抵抗は30Ωに設定しました。
動作点をきめる場合、私のバイブル本も含めて大方は、特性曲線(Ip-Ep特性)にロードラインを引いて検討するのが基本とされてるようですが、前に書いたとおり所持品は中古品が殆どですし、新品でもバラツキがあり、規格にある代表値はあてになりません。
5極管の特性は概ね下図のような形(座標は適当に正規化してあります)になってます。
動作点を最大プレート損失曲線上のA点(0.75、0.25)としたとき、最適負荷抵抗は3(=0.75/0.25)となります。
特性の立上がりが垂直でないので、低電圧側で無効な領域がありますが、高圧側も特性曲線が詰まってきて出力波形がつぶれてしまうので、この計算で近い値になると思います。クリップするまでの最大出力は、理想特性の場合で
プレート入力(0.75×0.25) × 0.5
図のように両端で動作不能な領域がある実際の特性では
プレート入力(0.75×0.25) × 0.35~0.4
というところでしょう。
2次歪打消しを前提とするアンプにおいては、3次歪の発生をなるべく低く抑える必要があります。
A点で赤のロードラインを使う場合、特性曲線の立上がり部分と交差していますが、そこの付近に達する振幅で3次歪が増大することになります。そこで動作点B(0.5、0.4)で適正負荷(青のロードライン)をかければ、多少緩和できると見てとれます。しかしこの場合、無効な低電圧領域分の比率が増すことで最大出力が下がってしまいます。
プレート入力(0.75×0.25) × 0.3~0.35
A点で低負荷抵抗(オレンジのロードライン)にしてしまうという手もあります。かなり波形が非対称になりそうですが、2次歪打消しで歪を低減させることができます。
負荷抵抗が変えられない場合は、Esgを下げることで特性曲線をY軸方向に縮小させてロードラインの相対位置を変えることができます。
ロードラインが肩電圧より低い所に交差すると3次歪が増大、肩電圧より高い所に交差すると3次歪が低減しますが最大出力もさがります。
それでウルトラリニア動作を利用することが有効な手段となります。ウルトラリニア動作では、肩電圧より低いところで特性曲線が混み入っているところがバラけて3次歪発生が少なくなります。しかし立上がりの角度もそれなりに寝てくるので最大出力も低下します。
実際には上記特性曲線とロードラインの関係を頭の片隅に置いて、B電源(PTのタップ)と負荷抵抗(OPTのタップ)を決めてから、Esgとウルトラリニア比率を変えながら歪特性を見て、2次歪打消しで効果が上がり出力もそこそこのポイントを探るという手順になります。最適解はないですが、可能な限りウルトラリニア動作を利用した方が良い結果が得られます。
能書きはこれくらいにして、試験した結果を示しておきます。
(1)12GB3
OPT-11Sで、5KΩと3.5KΩを試しましたが3.5KΩの結果が良好でした。
(A)Ep=247V、Ik=50mA、Ec=-14V、Esg=108V、RL=3.5K、UL22%、
NF=15dB、CL=5.5W(1KHz)
(B)Ep=242V、Ik=50mA、Ec=-21.6V、Esg=146V、RL=3.5K、UL44%、
NF=15dB、CL=5.4W(1KHz)
12GB3としては、一番良い特性になりました。
NF15dBの5極管シングルアンプとしては、十分な特性になったと思います。
(2)6ZP1
Ep=240V、Ik=19mA、Ec=-12.7V、Esg=226V、RL=7K、UL3%、
NF=15dB、CL=1W(1KHz)
(周波数特性は、0.5Wでの特性です)
以前の結果よりいくらかマシになりました。(Esgは定格オーバーです。=>自己責任)
実験回路はこれで良さそうなので、ここらで一区切りとしてユニバーサルの実機にとりかかることにします。








