15KY8Aシングルアンプ(歪打消し)の製作
(2014.11.27作成)
前回の歪打消しについて少し補足です。
まず初段の特性について、エミッタ抵抗と歪の関係を見たら、50Ω付近で2次関数的特性(3次歪が最少)となり、それより小さい場合高次性となり、大きいと低次性になることが分かりました。以前の3次歪打消しの考察で、動作点で高次性となる球を探せられればと書きましたが、初段の方を高次性に出来れば良かったのです。灯台下暗しでした。ただこれは理論的な話で、3次歪は2次と異なり、高次性と低次性でも位相が180度丁度でなく微妙にずれていて、打消しがうまく出来ない場合もあります。そしてこの件はプッシュプルなどで2次歪が非常に小さくなり、3次歪も1%位という高性能なアンプを目指す時に漸く必要となる話であって、シングルの場合は無論、プッシュプルでも考える出番はあまり無いと思います。
2次歪の打消しで考えると、Trの特性次数と球の次数を一致させた方が良い結果がでるのではと思い、エミッタ抵抗を可変で試してみましたが、なかなか綺麗な打消しとはならず3次歪もどんどん増加してくるしという具合で、安易な回路で過度な期待は無理だったのです。それでエミッタ抵抗は可変を止めて47Ω固定としました。バイアスを深くするよりコレクタの供給電圧を可変とした方が、初段3次歪の増加を抑えられるのかも知れません。気が向いたら試してみます。
前回6CW5の実験では少し極端(シングルAB級とでも言うべき)な場合の打消しを実験したのですが、最大出力を追及するならそれでも良し、また歪特性などを重視するなら、適正負荷の動作点で適用すればより高特性が得られるはずです。いずれにしてもシングルアンプでの調整の自由度が1つ増えたという事です。
余談が長くなりましたが、ユニバーサル機のシャーシ構成などが悩ましく、なかなか決まりません。それで複合管の専用シングルアンプを作る事にしました。もちろんユニバーサル機でも複合管は使えますが、それでは3極部が無駄になってしまいます。予備で余っている8B8や14GW8では、シングルの出力が少し物足りないので、一回り大きい垂直偏向管の15KY8Aを使うことにしました。
回路は以下のとおりです。ヒーターとバイアス電源は14GW8PPの時と同様にACアダプター(15V)を使います。実験用に仕入れたOPT-5SとPM-30WSの出番がなかったので、それらをまとめて消化することにします。初段のバイアスで歪打消しの具合を調整します。5極部はOPTの接続を逆にして中間タップでUL接続とします。5/7(KΩ)の位置なのでUL比15%程度の動作となるはずです。
(注. 本機は2017/7に作り直しました ⇒ 2022/11に再度作り直しました)
最大出力は余裕十分とはいかないので、ピークインディケータも組み込んでおきました。VRを2個載せるスペースが無かったので、LR合成出力での点灯になります。これ最初は15V(正電圧)が使えると勘違いして、NchMOS(2N7000)で基板に作り込んだのですが、結線を考えて眺めていた時に-15V(負電圧)としてしか使えない事に気づき、仕方なくJ680に取り換えてダイオードも全部極性を入替えるはめになりました。
調整を簡単にするため部品類殆どを基板に載せて、むき出しにしました。トランス類も廉価品なので、見た目も相変わらずの感じになりました。
実機2台を作ってみて、狭い2ピースシャーシに作り込むのは結構大変な事が分かりました。余裕のあるシャーシにユニバーサル機を作る方が楽な気がしてきました。
複合管2本でステレオアンプになるので都合良さそうですが、とにかく初段のゲインが小さいのがネックです。もう少し歪打消しを強めたかったのですが、歪とゲインの低下の具合で設定を決めきれず、結局NF抵抗を適当に決めて必要最低限のゲイン(約16dB)が取れるように調整しました。
動作状態(概ね)
Epp=300V、Ikp=41mA、Esg=125V、Ecp=-13.6V
Ept=145V、Ect=-2.1V
最終特性
R-ch歪率特性
CL=4.1W、A=16.3dB、NF15dB(RNF=150Ω)
L-ch歪率特性
CL=4.2W、A=16.2dB、NF15dB(RNF=150Ω)
R-ch周波数特性
(周波数特性はR/Lほぼ同じなので、L-chは省略)
残留雑音:
R/Lとも
VR(MIN/MAX): 0.3mV/0.6mV
音は、やはり普通です。
歪率特性が十分とは言えませんが、NFを上げられないので仕方ありません。概ね2次歪が主体のようですし、私の耳では(無論PPとシングルの差も含めて)分からないので良しとします。
ユニバーサル機が出来るまで、今度はこのアンプで音楽を楽しむ事にします。最大出力が前のPPアンプの半分になったので、SPはフルレンジを使います。ゲインが小さいので、PC音源ではCLに達することは殆どないので、ピークインディケータは必要ありませんでした。
前回の歪打消しについて少し補足です。
まず初段の特性について、エミッタ抵抗と歪の関係を見たら、50Ω付近で2次関数的特性(3次歪が最少)となり、それより小さい場合高次性となり、大きいと低次性になることが分かりました。以前の3次歪打消しの考察で、動作点で高次性となる球を探せられればと書きましたが、初段の方を高次性に出来れば良かったのです。灯台下暗しでした。ただこれは理論的な話で、3次歪は2次と異なり、高次性と低次性でも位相が180度丁度でなく微妙にずれていて、打消しがうまく出来ない場合もあります。そしてこの件はプッシュプルなどで2次歪が非常に小さくなり、3次歪も1%位という高性能なアンプを目指す時に漸く必要となる話であって、シングルの場合は無論、プッシュプルでも考える出番はあまり無いと思います。
2次歪の打消しで考えると、Trの特性次数と球の次数を一致させた方が良い結果がでるのではと思い、エミッタ抵抗を可変で試してみましたが、なかなか綺麗な打消しとはならず3次歪もどんどん増加してくるしという具合で、安易な回路で過度な期待は無理だったのです。それでエミッタ抵抗は可変を止めて47Ω固定としました。バイアスを深くするよりコレクタの供給電圧を可変とした方が、初段3次歪の増加を抑えられるのかも知れません。気が向いたら試してみます。
前回6CW5の実験では少し極端(シングルAB級とでも言うべき)な場合の打消しを実験したのですが、最大出力を追及するならそれでも良し、また歪特性などを重視するなら、適正負荷の動作点で適用すればより高特性が得られるはずです。いずれにしてもシングルアンプでの調整の自由度が1つ増えたという事です。
余談が長くなりましたが、ユニバーサル機のシャーシ構成などが悩ましく、なかなか決まりません。それで複合管の専用シングルアンプを作る事にしました。もちろんユニバーサル機でも複合管は使えますが、それでは3極部が無駄になってしまいます。予備で余っている8B8や14GW8では、シングルの出力が少し物足りないので、一回り大きい垂直偏向管の15KY8Aを使うことにしました。
回路は以下のとおりです。ヒーターとバイアス電源は14GW8PPの時と同様にACアダプター(15V)を使います。実験用に仕入れたOPT-5SとPM-30WSの出番がなかったので、それらをまとめて消化することにします。初段のバイアスで歪打消しの具合を調整します。5極部はOPTの接続を逆にして中間タップでUL接続とします。5/7(KΩ)の位置なのでUL比15%程度の動作となるはずです。
(注. 本機は2017/7に作り直しました ⇒ 2022/11に再度作り直しました)
最大出力は余裕十分とはいかないので、ピークインディケータも組み込んでおきました。VRを2個載せるスペースが無かったので、LR合成出力での点灯になります。これ最初は15V(正電圧)が使えると勘違いして、NchMOS(2N7000)で基板に作り込んだのですが、結線を考えて眺めていた時に-15V(負電圧)としてしか使えない事に気づき、仕方なくJ680に取り換えてダイオードも全部極性を入替えるはめになりました。
調整を簡単にするため部品類殆どを基板に載せて、むき出しにしました。トランス類も廉価品なので、見た目も相変わらずの感じになりました。
実機2台を作ってみて、狭い2ピースシャーシに作り込むのは結構大変な事が分かりました。余裕のあるシャーシにユニバーサル機を作る方が楽な気がしてきました。
複合管2本でステレオアンプになるので都合良さそうですが、とにかく初段のゲインが小さいのがネックです。もう少し歪打消しを強めたかったのですが、歪とゲインの低下の具合で設定を決めきれず、結局NF抵抗を適当に決めて必要最低限のゲイン(約16dB)が取れるように調整しました。
動作状態(概ね)
Epp=300V、Ikp=41mA、Esg=125V、Ecp=-13.6V
Ept=145V、Ect=-2.1V
最終特性
R-ch歪率特性
CL=4.1W、A=16.3dB、NF15dB(RNF=150Ω)
L-ch歪率特性
CL=4.2W、A=16.2dB、NF15dB(RNF=150Ω)
R-ch周波数特性
(周波数特性はR/Lほぼ同じなので、L-chは省略)
残留雑音:
R/Lとも
VR(MIN/MAX): 0.3mV/0.6mV
音は、やはり普通です。
歪率特性が十分とは言えませんが、NFを上げられないので仕方ありません。概ね2次歪が主体のようですし、私の耳では(無論PPとシングルの差も含めて)分からないので良しとします。
ユニバーサル機が出来るまで、今度はこのアンプで音楽を楽しむ事にします。最大出力が前のPPアンプの半分になったので、SPはフルレンジを使います。ゲインが小さいので、PC音源ではCLに達することは殆どないので、ピークインディケータは必要ありませんでした。




