簡単なトランジスタアンプの実験
(2017.4.18作成)
超3結の考察でドライバの歪率改善方法を書きましたが、それにパワートランジスタを付ければ簡単にトランジスタアンプが出来上がるんじゃなかろーか(悪魔の囁きか?)、ふと思い立ち少々浮気してみました。
真空管シングルアンプ用ドライブをトランジスタアンプ用の電圧レンジに変更しました。
電源一杯フルスイングさせるとOPアンプでも使わない限り、ドライバの電流が0~5mAで振れることになり歪率もかなり高くなりそうです。
パワーアンプに見立てて測ってみました。電圧増幅ですが出口(Eo)にバッファ(パワーTr)を追加するだけなので、そのまま8Ω負荷を駆動できたとしての出力(W単位に換算)で表示してあります(以下同様)。
CL(1KHz)=5.8W (電圧から換算)
A(1KHz、1W)=39.5dB
歪率特性
予想通り歪率は多めで、5極真空管(否!!むしろ3極真空管)の無帰還シングルアンプ並です。風評?(トランジスタは3次歪主体で駄目だ...のような)は全くのデタラメな事が良く判ります。トランジスタ(少なくとも小信号タイプ、小電流領域)の特性は5極管と異なり肩特性境界ギリギリまで詰まっていないので、広範囲のRLでこのように2次歪主体の増幅特性になります。なのでPP1段+バッファという構成のアンプにする手もあるかとは思います。
これに定電流をパラに流して、C2240のIc動作範囲を0+α~5+α(mA)としてカットオフからα分だけシフトして動かします。
これでαを1mAと4mAとで測ってみました。
1mA
CL(1KHz)=6.8W (電圧から換算)
A(1KHz、1W)=40.4dB
歪率特性
4mA
CL(1KHz)=5.9W (電圧から換算)
A(1KHz、1W)=41.5dB
歪率特性
1mAでも大分改善しました。4mAの場合はシングルアンプにNFを掛けたような低歪になりました。Trのパワー許容範囲で増やしていけば更に低歪になるでしょうが、これくらいで十分です。欲張ってもキリがないのでαを約3mAの設定にしました。
CL(1KHz)=6.2W (電圧から換算)
A(1KHz、1W)=41.2dB
歪率特性
あとは以前から気になっていた変則(自己流)固定バイアス回路の温度安定性です。シングルアンプの2次歪打ち消しで使う分には打ち消しバランスが多少崩れる程度ですが、Trアンプとした場合には歪率はともかくフルスイングする時に動作点が変動してると、寄った側に片側クリップが出てしまい最大出力が安定しません。シングルアンプ用では耐圧だけを考えてTrを手頃に選びましたが、今回は一応コンプリメンタリー品種にしてあります。それでベース結合してるC2240とA970を、バラの場合と温度結合した場合とで大雑把ですがドライヤーで軽く焙って変動具合をみてみました。
ドライヤーですから当てる位置の加減は手頃なのですが、動作点がガンガン変わってしまいました。C2240とA970を熱伝導シートでくるんでも全然様相が変わりません。それで定電流を無しにしたら結構変動が小さくなりました。C2240とA970の接着をバラしても変わらずで、つまり変動の犯人は定電流用Tr(回路)ということでした。これの電圧降下分をケチってVbe変動の影響を受け易くなっていたのが原因のようです。しかし入力Tr回路の温度変動が意外に少なくて安心しました。
定電流回路で電圧降下を大きくとる訳にはいかないので、NF形にしてみました。
さすがNF、そこそこ安定しました。これなら自分で使う分には問題なさそうです。
最終回路、出口にエミッタフォロワー(ダーリントン:非選別品)を付けました。
出力Trのアイドル電流調整、なかなか難しいです。Trをバラでテストしたらバイアス用Trの温度変化(温度上昇)が無いので、バイアス(アイドル電流)を無信号で調整すると大出力のときに熱暴走状態になってしまい、中出力でバイアス調整すると熱くならない小出力のときにバイアス不足で歪率悪化となってしまいます。仕方なく、バイアスTrを小信号用(C2240)から出力用Trと同じ形状のTTA008Bに替えて、D1509B/A008B/B1067Bをサンドイッチにして両側に放熱板を付けて漸く試験できました。
アイドル電流、歪率をみながら一寸欲張って約100mAに調整。
NF無し
CL(1KHz)=4.5W
A(1KHz、1W)=40.2dB
歪率特性
周波数特性
出力段TrとバイアスTrのサンドイッチの熱結合は上手く働いでいる様ですが、バイアスTrが放熱板に接していないので温度上昇下降がパワーTrより遅れがあるようで、出力を上げてから下げるとアイドル電流が設定値より下がった後で徐々に上昇して元に戻ってきます。これをちゃんと合わせるのは結構大変かもしれません。フルモールドのTrは取付けは簡単ですが、金属むき出しタイプの方が熱結合的には良さそうです。
NF15dB (RNF≒6.8KΩ)
CL(1KHz)=5.0W
A(1KHz、1W)=24.4dB
歪率特性
周波数特性
半導体アンプは簡単かなと思ったのは少し安易でした。温度特性を管理できないと一発で壊れてしまいそうです。パワーFETで手頃なコンプリメンタリー品種があれば良いですがFETだとドライブが悩ましく、深入りすると果てしない気がするのでこの程度(入門編)の簡単なもので満足しておくことにします。真空管はその点頑丈ですから一寸したミスでも壊れず安心(素人向け?感電だけが要注意!)です。
1段(1石)増幅にバッファを付けただけなので半導体アンプなどという程の代物ではありませんが、私にとって十分な特性をちょこっとの浮気時間と回路(部品)で軽々出してしまうのは、さすが半導体というべきでしょう(単にOTLだからでしょうか)。管球アンプのようにデカくてお高いトランス類が不要で、増幅素子自体もお安いです。お宝として残っていなければ真空管のアンプを作るなんて事はまず考えなかったでしょう。
出力側コンデンサ(3300μ)、2電源にすれば除けます(OCL⇒出力コンデンサの代わりに電源回路のコンデンサ/フィルターが入るので大差なし⇒出力コンデンサ付きと等価)が電源回路が複雑になるだけなので、この程度のアンプでは採用しない方が賢明(OCLにする意味はありません)です。
折角なので管球アンプとの比較用(耳では区別できないでしょうが)に実機として仕上げることにします。
超3結の考察でドライバの歪率改善方法を書きましたが、それにパワートランジスタを付ければ簡単にトランジスタアンプが出来上がるんじゃなかろーか(悪魔の囁きか?)、ふと思い立ち少々浮気してみました。
真空管シングルアンプ用ドライブをトランジスタアンプ用の電圧レンジに変更しました。
電源一杯フルスイングさせるとOPアンプでも使わない限り、ドライバの電流が0~5mAで振れることになり歪率もかなり高くなりそうです。
パワーアンプに見立てて測ってみました。電圧増幅ですが出口(Eo)にバッファ(パワーTr)を追加するだけなので、そのまま8Ω負荷を駆動できたとしての出力(W単位に換算)で表示してあります(以下同様)。
CL(1KHz)=5.8W (電圧から換算)
A(1KHz、1W)=39.5dB
歪率特性
予想通り歪率は多めで、5極真空管(否!!むしろ3極真空管)の無帰還シングルアンプ並です。風評?(トランジスタは3次歪主体で駄目だ...のような)は全くのデタラメな事が良く判ります。トランジスタ(少なくとも小信号タイプ、小電流領域)の特性は5極管と異なり肩特性境界ギリギリまで詰まっていないので、広範囲のRLでこのように2次歪主体の増幅特性になります。なのでPP1段+バッファという構成のアンプにする手もあるかとは思います。
これに定電流をパラに流して、C2240のIc動作範囲を0+α~5+α(mA)としてカットオフからα分だけシフトして動かします。
これでαを1mAと4mAとで測ってみました。
1mA
CL(1KHz)=6.8W (電圧から換算)
A(1KHz、1W)=40.4dB
歪率特性
4mA
CL(1KHz)=5.9W (電圧から換算)
A(1KHz、1W)=41.5dB
歪率特性
1mAでも大分改善しました。4mAの場合はシングルアンプにNFを掛けたような低歪になりました。Trのパワー許容範囲で増やしていけば更に低歪になるでしょうが、これくらいで十分です。欲張ってもキリがないのでαを約3mAの設定にしました。
CL(1KHz)=6.2W (電圧から換算)
A(1KHz、1W)=41.2dB
歪率特性
あとは以前から気になっていた変則(自己流)固定バイアス回路の温度安定性です。シングルアンプの2次歪打ち消しで使う分には打ち消しバランスが多少崩れる程度ですが、Trアンプとした場合には歪率はともかくフルスイングする時に動作点が変動してると、寄った側に片側クリップが出てしまい最大出力が安定しません。シングルアンプ用では耐圧だけを考えてTrを手頃に選びましたが、今回は一応コンプリメンタリー品種にしてあります。それでベース結合してるC2240とA970を、バラの場合と温度結合した場合とで大雑把ですがドライヤーで軽く焙って変動具合をみてみました。
ドライヤーですから当てる位置の加減は手頃なのですが、動作点がガンガン変わってしまいました。C2240とA970を熱伝導シートでくるんでも全然様相が変わりません。それで定電流を無しにしたら結構変動が小さくなりました。C2240とA970の接着をバラしても変わらずで、つまり変動の犯人は定電流用Tr(回路)ということでした。これの電圧降下分をケチってVbe変動の影響を受け易くなっていたのが原因のようです。しかし入力Tr回路の温度変動が意外に少なくて安心しました。
定電流回路で電圧降下を大きくとる訳にはいかないので、NF形にしてみました。
さすがNF、そこそこ安定しました。これなら自分で使う分には問題なさそうです。
最終回路、出口にエミッタフォロワー(ダーリントン:非選別品)を付けました。
出力Trのアイドル電流調整、なかなか難しいです。Trをバラでテストしたらバイアス用Trの温度変化(温度上昇)が無いので、バイアス(アイドル電流)を無信号で調整すると大出力のときに熱暴走状態になってしまい、中出力でバイアス調整すると熱くならない小出力のときにバイアス不足で歪率悪化となってしまいます。仕方なく、バイアスTrを小信号用(C2240)から出力用Trと同じ形状のTTA008Bに替えて、D1509B/A008B/B1067Bをサンドイッチにして両側に放熱板を付けて漸く試験できました。
アイドル電流、歪率をみながら一寸欲張って約100mAに調整。
NF無し
CL(1KHz)=4.5W
A(1KHz、1W)=40.2dB
歪率特性
周波数特性
出力段TrとバイアスTrのサンドイッチの熱結合は上手く働いでいる様ですが、バイアスTrが放熱板に接していないので温度上昇下降がパワーTrより遅れがあるようで、出力を上げてから下げるとアイドル電流が設定値より下がった後で徐々に上昇して元に戻ってきます。これをちゃんと合わせるのは結構大変かもしれません。フルモールドのTrは取付けは簡単ですが、金属むき出しタイプの方が熱結合的には良さそうです。
NF15dB (RNF≒6.8KΩ)
CL(1KHz)=5.0W
A(1KHz、1W)=24.4dB
歪率特性
周波数特性
半導体アンプは簡単かなと思ったのは少し安易でした。温度特性を管理できないと一発で壊れてしまいそうです。パワーFETで手頃なコンプリメンタリー品種があれば良いですがFETだとドライブが悩ましく、深入りすると果てしない気がするのでこの程度(入門編)の簡単なもので満足しておくことにします。真空管はその点頑丈ですから一寸したミスでも壊れず安心(素人向け?感電だけが要注意!)です。
1段(1石)増幅にバッファを付けただけなので半導体アンプなどという程の代物ではありませんが、私にとって十分な特性をちょこっとの浮気時間と回路(部品)で軽々出してしまうのは、さすが半導体というべきでしょう(単にOTLだからでしょうか)。管球アンプのようにデカくてお高いトランス類が不要で、増幅素子自体もお安いです。お宝として残っていなければ真空管のアンプを作るなんて事はまず考えなかったでしょう。
出力側コンデンサ(3300μ)、2電源にすれば除けます(OCL⇒出力コンデンサの代わりに電源回路のコンデンサ/フィルターが入るので大差なし⇒出力コンデンサ付きと等価)が電源回路が複雑になるだけなので、この程度のアンプでは採用しない方が賢明(OCLにする意味はありません)です。
折角なので管球アンプとの比較用(耳では区別できないでしょうが)に実機として仕上げることにします。












